専業主婦なのですが夫との離婚協議をする際、財産分与で不利にならないでしょうか?

1 はじめに

現在、専業主婦やパート勤務などをされている女性相談者から、「離婚はしたいけれど、離婚後の生活が不安です。」「家の名義などはほとんど夫名義となっていて、しっかりと財産分与してもらえるか不安。」などのご相談をいただくことがよくあります。
今回のコラムでは、主に専業主婦やパート勤務されている女性からの離婚にかかわる心配事項の中で、特に財産分与関係を中心に解説していきたいと思います。

2 家や貯金はほぼ全て夫の収入によるものだけど…

離婚について夫婦で協議をしている際、妻が専業主婦で収入がなかった場合や、パート勤務で夫と比べて収入が少なかった場合、夫側から「今ある財産は自分が稼いで築いたものだ。それを半々にするのはおかしい。」などと主張されることがしばしばあります。

これは、財産分与における分与割合の問題になりますが、現在の家庭裁判所実務では、いわゆる「2分の1ルール」というルールが定着しています。その根底には、「仮に妻側が専業主婦であったとしても、家事や育児という労働があったからこそ夫婦の財産を築くことができたのである。」という考えがあるからです。

もっとも、どちらかのたぐいまれな才覚などによって高額の収入を得ていた場合や、どちらかにひどい浪費があった場合など、「2分の1ルール」をそのまま適用してしまうと逆に不公平になる場合には、6:4や7:3などといった割合で修正されることもありますが、かなり例外的と言えます。

このように、仮に婚姻期間中に収入面での差があったとしても、離婚における財産分与では特に不利にならないと言えるでしょう。

3 夫婦の財産の大半が夫名義になっているけれど…

自宅の所有名義や銀行預金の口座名義など、ご夫婦の財産の大半が夫名義になっているため、財産分与で不利にならないかという心配もよく伺います。
この点、離婚における財産分与は、各財産の「所有名義」にかかわらず、離婚時に分配して清算する手続になりますので、結論的にはご夫婦どちらの名義になっていようと財産分与の額には影響は及ぼしません。

実際、家庭裁判所での調停や訴訟では、「婚姻関係財産一覧表」という表を双方で作成して財産分与についての話を進めていくことになります。その表では夫名義の資産(負債)と妻名義の資産(負債)を分けて記載して整理し、次に、夫名義の資産と妻名義の資産を合算した合計額を算出し、先程の「2分の1ルール」に基づき、現在多く財産を持っている側から他方に対して資産を移動する形で、最終的に2分の1ずつになるよう調整していきます。

このように、仮にご夫婦の財産の大半が夫名義であったとしても、離婚における財産分与では特に不利にならないと言えるでしょう。

4 さいごに

お子さんのいるいないにかかわらず、離婚後の住む家をどうするのか、その後の生活費をどうするかなどの離婚をしたあとにおける経済面の不安は、それまで家事や育児の大半を担いつつ、専業主婦やパート勤務をしてきた女性にとって非常に強いと思われます。

しかし、今回ご説明させていただいた内容はほんの一部に過ぎませんが、家庭裁判所での実務や運用などからすれば、「実は杞憂だった。」という可能性もあるでしょう。

今後も今回と同様のテーマでコラムを追加していく予定ですが、離婚や離婚に伴う財産分与で少しでも気になることがございましたら、一度、法律相談を受けていただきますと、このような不安や心配が解消できることもあるかと思います。

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